「蒸し物」の修治・11月の薬草講座4

植物は、危険に対して逃げることが出来ないので、身を護る為に多かれ少なかれ毒を持っています。
野菜だけは、人間が食べる為に改良してきたので毒を抜かなくても口にできますが。

乾燥させて用いる薬草は、野草としてフレッシュで食べる以上に毒性も強くなり、作法を間違うと危険です。そんな知識とともに、この一年間は、毒性の少ない植物で、薬草へ変える術を学んできました。
分厚い肉厚の葉の扱い、薄いか弱い花は扱いがなかなか難しい。
水気を嫌う植物、日差しにすぐ変色する植物、それぞれ個性があり、扱いを見極め学ぶ日々。

そして秋からは、実や根っこを薬に変える季節です。

水気の多い実を腐らせずきれいに薬草にするのも大変。そして、根っこは、色のあるものは色を、香りがあるものは香りを残すのに気を遣います。

中でも「蒸す」のは難しい。蒸気で香りが立ち上りますが、油断すると香りが飛ぶし、蒸すと言っても薬草が煮えては性質が変わってしまう。太さも大きさも違う根っこに、同じものは一つもないので、鼻と目と指の感触を最大に研ぎ澄まして、今丁度って時がピン❣️と来るまで、練習あるのみ。


今回は、悩ましい「乾姜」「鬱金」そして薬草の王者「高麗人参」の蒸し方を、実際に見せてもらいました。

蒸し方を教わっても、その後干し方て失敗することもあるので、ゴールを知ることも大事。

呉から、先生の作ったものを持ってきてもらい、香りや味を確かめるところから。

季節が終わって、今回習えなかった棗。
説明だけ聞いてやっても、うまく行かない薬草。難しいのです。
左かここら辺に生っている小さな棗で私が作ったもの。
真ん中が先生のもの。これは「大棗」棗の大きさも違うのですが。何より、甘みと酸味がきちんと残り、美味しい。実も乾きすぎずベタベタせず。
右は、シルクロードから輸入されたこだわり棗。これも美味しいと思ったけれど、薬草としては、工場で熱乾燥させているそうで、先生のと比べると甘いだけになってしまっていました。

ギシギシ、乾姜、高麗人参、味見して、薬効を学んでいきます。

そして、実習!

高麗人参の色々な作法を学びつつ、太さ大きさ違いで、皆で記録を取っていきました。

こちらは鬱金。

秋ウコンはオレンジが強く、春ウコンは黄色が強いです。

太さもマチマチなので、都度確認しては記録をつけました。とても良い香り💖

ただの生姜を蒸すだけと思ったら、大間違い。

程よい蒸し加減になると、テカテカ生姜の油が浮いてきて、金色に光って来るのには、皆から歓声が。

あまりに美しくて驚きました。

そして、辛味が増します。
これは身体が温まりそう。

写真撮り忘れましたが、最後は、高麗人参の使い方を学び、気がつけば講座時間一時間押し。
先生、電車に乗り遅れたら、この日7時間近くかけて呉まで帰るのに大変です。急ぎ解散、駅まで送り届けました。
今回の学びの深さ、面白さに感動した方々から、次々とSNSで熱いメッセージを送られて来ました。来年も学びたい!と言う声が多くて安堵。良かった✨
今回で下地が出来た方々には、来年はもっと深くて面白いことが出来るので、私も皆が続けてくれて嬉しいです。
来年からは、公募で初級クラスも作ろうと思ってます。

自然料理アカデミー

野草・薬草・自然料理の研究所です。 長野県諏訪郡、八ヶ岳の森にあります。

0コメント

  • 1000 / 1000